初めてのボードゲームの作り方〜構想から小規模製造とゲームマーケットでの販売まで〜
ゲームマーケット2024春というアナログゲームを販売するイベントに出展してきました。5ヶ月前にイベントの申し込みをしてから出展までの道のりがどうだったか、というのをブログにまとめてみようと思います。
完成品
先にどんなゲームを作ったのかを紹介します。
「経歴詐称面接」という名前のパーティゲームで、順番に”トンデモ経歴”と”希望職場”の2枚のカードを引いて履歴書を作り、その経歴を活かしてどう希望職場で活躍するかなどの自己PRをその場で考えて話すという大喜利ゲームです。
せっかくなので、どんな風にこのゲームを作ったのかを振り返ってみます。
イベント申し込み(2023年11月末)
エンジニアと人生というエンジニアコミュニティのボードゲーム好きなメンバーでイベント出てみないか?と誘われたことで4人でスタートしました。
ボードゲームを作ってからイベント申し込みするのではなく、イベントを申し込んでからボードゲームを作り始めました。今まで技術書典などの同人即売会のようなイベントには出展していたので、同じようなノリで行けるだろうと軽い気持ちでスタート。
サークルの働き
4人それぞれがゲームを作り、テストプレイ・ブース設営などを協力しあうような形で進めました。
それぞれゲームの制作については基本的にすべて一人で行い、印刷費の負担もそのゲーム単体の責任者が負い、赤字を出しても黒字になっても作った人が背負うという形に。
これによって他のメンバーが動かないことに腹を立てることもなく、自己責任で進められます。
アイディア出し(2023年12月~1月)
新しいボドゲのアイディアをそれぞれ考える→メンバーと集まり、試作品を遊んでみつつアイディア出しするという会を何度か開く。
そこで「Java歴5年です」という、SESエンジニア界隈でよく聞いたことのある”経歴詐欺”というネタをゲームに出来ないかという素案が出る。
アイディアの具体化、テーマからメカニクス適用
ボードゲームの作り方は色々あると思いますが、今回はテーマ先行でそれに合うメカニクスを考えるという順序で制作しました。
「経歴詐欺」から具体化し、ランダムな嘘経歴を誤魔化して話すような大喜利ゲームのメカニクスはどうか、という流れて考えました。
Notionにチーム内でアイディアをメモするデータベースを作って行きましたが、一番最初のメモです。
そもそもボードゲームのメカニクスはどういったものがあるのか、という勉強のために書籍も何冊か買って読みました。この辺の本はどれも初めて作るうえでは参考になると思います。
試作とテストプレイ→ルール改善
上記メモにあるように、スロットメーカーというスロットを自作できるサービスを使って、ランダムなカードを引く部分をスロットとして、オンラインでミーティングしながらメンバーとテストプレイをしました。
ゲームを作るうえの一つの課題
「テストプレイが難しい」という点です。
特に物理的に距離のあるところに住んで子育てもしている社会人メンバーでサークルを作ったので全然集まれないというのが課題でした😂
Zoom、GoogleMeetなどを利用して夜な夜なPCで話してテストプレイをしていましたが、制約が大きく、、、
色々と試作はしたのですが、逆に「オンラインでもテストプレイし易いゲームルールにしよう」という考えから逆算して大喜利ゲームとして作れるアイディアを進めることにしました。
ただ改めてオフラインでテストプレイをやってみると、、、「カードを先に配ると、自分の番が来るまで自分の面接内容を考えてしまって他の人の話を聞けない」という問題に気づけたりも。そのため喋るタイミングでカードを引くようにするなど、テストプレイしてみないと気付けない点がたくさんありました。できるだけオフラインでやったほうがいいですね、、、
ルール・コンセプト・コンテンツ確定
何度かテストプレイを行い、「普通にある職業の話をして不採用になると、面接で落ちたような自己否定をされた心理になる」ことがわかりました。
「突拍子もないネタを使って面接する」と自分でもウソの話を考えている心理になるため「不採用でも心理的ダメージはかなり軽減する」ということでトンデモ経歴に変更するなど、改善を重ねてルールを確定させていきました。
ルールやコンセプトを固めていき、時にはChatGPTにネタ出しを手伝ってもらいながらコンテンツを確定させていきました。多めの人数でも遊べるゲームにしたかったため、1人3回話せるように24枚づつのカード(プラス、空欄のカードで自分の考えた職業を追加もできる)というセットにしました。
などなど面白くなる要素を追加、つまらなくなる要素を排除して軌道修正していきました。
アートワーク・デザイン制作
コンテンツを作りながら「カード2枚を組み合わせると履歴書風になる」というデザインや、元陰陽師が面接を受けに来るデザインという形を固めて行きました。
友達のデザイナーにアドバイスをもらったりしながらFigmaをポチポチして作って行きました。
ゲーム印刷発注
もともとは萬印堂さんに発注しようと思っていて、この締切の2/1~2/19に合わせようと考えていました。
しかしいくらなんでも構想から2ヶ月でアートワークもすべて間に合わせるのは無理があり、、、諦めました😂
別な印刷会社さんを探して、こちらなら9営業日で、とのことなので3月中を目標にアートワークを仕上げました。
印刷所毎にテンプレートがあるので、そのテンプレートに合わせてデータを作ります。PSDが必要だったりするので注意。
カードと箱は上記で、説明書は4つ折りでカードと同じサイズになるようにラクスルさんで発注しました。こちらは最速次の日に届くのでかなりギリギリに頼みました。
展示用品発注・展示準備
順番は前後しますが、サークルカットの提出はオンラインで行います。
展示用の物品としてそれぞれ購入、印刷を行いました。
- テーブルクロス : ユザワヤ
- チラシ : ラクスル
- ポスター印刷 : Kinko's店頭
丁合
イベントの1週間前にメンバーで集まり
- 箱を組み立て
- 説明書を4折り
- カード5000枚を100セットに分ける
を手で行いました。
かなり時間がかかったので、100セットでちょうどよかったんじゃないかという気持ちが生まれました😂w
(もっと多く作るとなると、、、大変過ぎる!w)
当日の持ち物と動き
- お釣り
- 領収書
- マスキングテープ
- ハサミ・ペン
などを持ちつつ、、、半卓で持ち込みも少ないので展示準備はすぐ終わるので、10時過ぎに到着するように移動。
到着後には展示準備、見本とチラシの提出を行いました。
展示中はチラシを道行く人にできるだけ配り、96個持っていったのが11時スタートで13:30~45頃に売り切れました。買ってくださった方々、本当にありがとうございました。
今後の展望
早々に売り切れてしまったため、ブースに来てくれたのに買えなかった方大変申し訳ありませんでした🙇
出版社様で経歴詐称面接をパブリッシュしてくれるところがあったら嬉しいな〜と思っていますので、もしご興味ありましたらアートワークのまとめ資料などをお送りしたいと思いますのでご連絡ください。
カードの内容を変更する事で他のコンテンツとコラボやシリーズ化も容易になっていると考えてますので、ダメ元でいくつか問い合わせてみようと思います。
橋にも棒にもかからなかったら次回のイベントに向けて第2版として頑張って作ろうと思いますので、ブログをシェアして応援してください💪
そして次回のゲームマーケットにもまた新作を作って趣味レベルでぼちぼちやっていけたらいいかなぁと思っています。
終わりに
ボードゲーム制作初心者の割にはなんとか作りきって販売まで出来たのはよかったですね。もしボードゲーム作ってみたいという方がいたら少しは相談に乗れるかもしれませんので気軽に聞いて下さい☺️楽しいよ!